ついに達成――クンダリニー・ヨーガの成就
ソーパーカ師は、出家後、解脱・悟りを目指し、本格的に心の深い部分へとアプローチしていった。その途上では、現世にいたときには経験したことのないような、激しい心の揺れや挫折・屈折といった多くの苦しみを経験しなくてはならなかった。しかし、それらも、教えにのっとっり心を調御していくことによって、一つ一つ乗り越えていった。
そして、ついにクンダリニー・ヨーガの成就を果たし、心の奥深くまでの浄化に成功したのである。クンダリニー・ヨーガとは、強力な上昇のエネルギーであるクンダリニー・エネルギーを使って、煩悩を止滅させる技法のことだ。以下に、その成就の瞬間の体験を語ってもらった。
「まず、自分の意識体が、ヨーガではアストラル世界と呼ばれる、この現実世界の裏側に存在する異次元空間に浮かんでいました。このアストラル空間は、わたしたちの内奥と直結している世界です。
そこでわたしは、『何か』を抱えていました。この『何か』というのは物質というわけではなく、今までの『自分』というものの象徴なのかもしれません。これが自分の抱えている腕から、どんどんすり抜けていってしまうのです。しかし、自分はそれを嫌がって一生懸命食い止めようと努力しますが、それでも容赦なく自分の腕の隙間から漏れていってしまい、食い止めることが不可能だということがわかりました。
そのときふと、『すべての物事は自分も含めて、すべては移ろいゆく無常なものだ。それらを永遠に止めておくことなどできない。要するに、止めておけないものを止めておきたいと思うから苦しいんじゃないのか』という思いがわき起こり、思い切って『えい!』とばかりに手を広げて、手元から離れていくのをなすがままにしてみました。
すると、今までにも増して、自分から何かがすごい勢いで流れ出していくのですが、それに対する執着を放棄したので、逆にものすごい解放感が生じたのです。
そして、それに伴って自分の身体がどんどん軽くなって上昇を始めました。同時に上方からシャワーのように光が降り注いで、自分自身のすべてのけがれを洗い流しているようでした。そして、最終的に光の中に飛び込むと、そこには光の空間しかなく、心に完全なる寂静が生じました」
ソーパーカ師のこの体験は、教義に一致している。
つまり、教えでは次のように説かれているのだ。わたしたちは無常のものを自己と錯覚するがゆえに苦しむ。または、無常のものを常にしたいと思うから苦しみが生じるのである。そして、その無常のものに対する錯覚を取り除いたときに至福の境地に至る、と。
光の空間への没入――ソーパーカ師は、ついに無常を超える境地へと到達したのだ。
説法に長けた聖者
ソーパーカ師のクンダリニー・ヨーガの成就を支えたものは、真理の教えに対する深い理解と洞察だった。それは一方で、ソーパーカ師を、Alephの中でも屈指の説法に秀でた聖者となさしめたのである。
真理の教えとの出合いによる劇的な体験以来、ソーパーカ師の法則に対する探求心は急速に芽生えていった。そして、在家時代、そして出家してからと、その時々で与えられる法則を何度も何度も反すうしながら、正確に、そして確実に心に根付かせていった。その結果、たいていの現象は、法則によって斬り、その意味合いを説き明かし、正しい道を指し示すことができるようになったのだ。
ある出家修行者は言う。
「ソーパーカ師が説かれる説法は、実に味があります。シリーズで聴きたいなと思わせるほど、興味を引くものがあるんです。“法則の地図”の埋まっていないところをうまく埋めてくださる、という感じといったらいいでしょうか。つまり、表面的には知っているけどよくわかっていない部分を、『あ、そうなのか。こういうことだったんだ』と気づかせてくれることが度々あります。
師の説法を聴いていると、どんな苦しみも法則によって乗り越えられるんだ、ということがよくわかります」
真理との出合い以来一途に法則を追い求めてきた、まさに師の真摯な姿勢が、成就という高い達成をもたらしたのである。
