大阪道場日記──涙、涙の愛の物語・こども真理劇
2004年6月2日 (水)
大阪道場の特徴の一つは、子供が多いということです。普段でも、子供の遊ぶ声、泣き声で、とってもにぎやかですね。さらに、説法会などのイベントともなると、小学生以下の子供たちが10人近くも集まるので、子供係のサマナも大変です。
さて、そんな子供たちに、劇を通じて真理の素晴らしさを伝えたい――。そんな願いから始まったのが、「こども真理劇」です。
一回目の劇は、自己を犠牲にして、仲間を救った「キタロウ」という猫の話です。
舞台は、89年の富士山総本部道場。「キタロウ」という捨て猫を、可哀想に思ったサマナが拾ってきました。許可が降りて、サマナがキタロウの面倒を見ることになったのです。
ところがキタロウは、食べる以外はずっと寝てばかり。愚鈍なのですが愛嬌があり、憎めない性格なので、みんなから可愛がられていました。そんなある日、土砂降りの雨の日のこと。キタロウは、仲間の猫のミンミンに、暖かい雨の当たらない場所を譲り、自分は雨の中で衰弱していたのです。劇では、キタロウとミンミンに台詞が入り、子供二人が迫真の演技をしています。
「キタロウ、死なないで――」
「ミンミン、僕が死んでも悲しまないで。君には長く生きてほしいんだ――」
「キタロウ、キタローゥ、キタローゥゥゥ!」
こうして、キタロウは、仲間を救い、死んでいきます――。涙、涙の愛情物語。その熱演に、この日集まった、子供も大人も感動しています。
さて、この自己犠牲と愛情の実践により、キタロウは猫のカルマを切って、人間界に転生し、修行者として生まれ変わることになったそうです。あれから15年――今ごろ、キタロウは中学生ぐらいなのかもしれません――。

子供たちに、少しでも思いやりのある心を持ってほしい。さらに、自己を捨てて他を利することこそが真の幸福への道である。――この素晴らしい大乗仏教の教えの精髄を、わたしたちも体得するとともに、多くの人に伝えていかなければ――。子供たちの熱い演技を見ながら、そんな思いをあらたにすることになりました。

